2016

あっという間の1年でした。様々な場所に行き演奏してきました。元々楽器を弾く際に頭で色々と考えてしまうタイプでしたが、それに違和感を覚え、考えることよりもとにかく現場をこなしていくということでしか自分の納得できる演奏は出来ないと思い、その点にフォーカスしてきました。それによってソロで様々な状況で弾くことにも慣れてはきましたが、同時にそれでもなかなか克服できないこともあるのも感じています。これまで体、感覚的なところで弾き続けてきましたが少し頭で考える部分もこれから加えていこうと思います。
どの場所も脳裏に焼き付いています。色んな所で曲を作ろうと試みました。形になった数曲とならなかった多くの断片。色んな人達に出会いました。笑顔の人、泣いている人、それぞれのストーリーも聞きました。個人的なものから政治にまつわる異なる意見。複雑なようでシンプル、でもやはり容易ではありません。自分の中で色んなことをまとめようとはしていますが難しいです。
歳のせいもあるのか物質的なものにあまり魅力を感じなくなってきている自分がいます。物、情報の溢れる時代の潮流の中でも自分の目線で何が必要か考えていきたいです。結局いい曲を書いてそれをいい音で発信することですね。
ジョ―ジワシントンブリッジからのマンハッタン

ナイロン

早いものでもう年末です。ここ4年ほど基本的に自分のコンサートではスティール弦のアコースティックギターを弾いてきましたが、今月久しぶりに弾いてみたこのナイロン弦がぐっとくるものがありこの前のボルティモアでのライブで用いました。思っていたよりも弾きやすく何かヒントになることも多かったです。昔はナイロンを長年使っていましたがある一定使ってきてクラシックギタリストを見るとまだまだ自分には無理だなと思っていました。でも気軽にまた弾き込んでいこうと思っています。

このギターはギター製作家、本郷道太さんの2004年の作品。繊細で素晴らしいリスポンスです!

オペラハウス

ペンシルバニア州のジムソルペという町へ。アメリカのスイスと呼ばれているヨーロッパのような雰囲気の町です。ここにあるオペラハウスでのライブでした。やはりこういう空間で演奏するのは非常に気持ちがいいものです。ただ天井がとても高いため音の反響も大きくその辺りが難しいです。

面白いのはアメリカの比較的大きな町にオペラハウスがあるのは分かりますがすごく辺鄙な場所でもかつてオペラハウスが建てられていて昔はいろんな芸人が回ってきていました。今ほど娯楽もなかったためそういう音楽などの文化が根付いていたのでしょう。

コロラド

フローレンスの夕暮れ
コロラドツアーが始まりました。寒いだろうと思って手袋やセーターなども用意してきましたがデンバーに着くと夏のような気候。Tシャツで過ごせます。
一日目はデンバーから2時間ほど南へ下がったフローレンスでの演奏。去年もここで演奏しましたが、前回は前日山の中で高度の高い所から降りてきたため耳の調子がおかしかったのを覚えています。しかも12月ですごい雪でした。
演奏したのは1800年代終わりに建てられた教会を改装した場所で雰囲気も良かったです。去年から壁や照明もパワーアップしていました。

ライブ会場のBell Tower Cultural Cente

デラウエア、ペンシルバニア

今週はデラウエア州とペンシルバニア州へ。ニューヨーク南下して2、3時間です。

一つ目はウィルミントンのダウンタウンの教会での演奏。普段クラシックのコンサートをよくやっている教会ということでそれだったらその仕来たりに従うつもりでマイク、アンプ無しでやってみることにしました。最近はペダルを置いたり色々と繋いでやっていたため足元と目の前に何もないのが変な感じでした。そのままの自分を見られている感じで何も隠せない、飾れない、そんな心境でした。決してやりやすくはないですが、本来はこうあるべきで時にはこういう機会も必要だと思いました。
教会が終わると次はペンシルバニア州の州都のハリスバーグの近くでのコンサート。こちらも天井の高い空間でした。去年にライブに来てくれた人も戻ってきてくれていました。
最近は大統領選挙もいよいよということで人と話す際も何かと選挙の話題に。アメリカ人も今回に関してはこれまでで最も良くない選挙と見ている人達も多く、どちらにも投票したくない、なので選挙にも行く気がしないという人も。自分は投票権もないので傍らで見ているだけですが。
こちらは秋も深まってきました。郊外に行くとハロウィーンのデコレーションも賑やかな季節です。ついこないだ夏だと思っていましたが本当に早いものです。

久しぶりの投稿です。ニューヨークも急に冷え込んできました。郊外に出ると紅葉がきれいです。

先週末はマンハッタンでトリオでライブをしました。よくある表現ですがニューヨークのエネルギーを感じた夜でした。演奏したブラジル人ミュージシャン、ヴィトールとホジェリオの息もピッタリ。自分も20代の一時期ブラジル音楽にどっぷりはまっていたので演奏していて同じ言語を割と共有できているのを感じました。

友人のギタリストのロスハモンド(Ross Hammond)が東京は下北沢のレテで20日にソロライブをやります。彼とは8月にカリフォルニア州のオークランドで共演しました。スライド奏法を多様するスタイルですがブルースにとどまらない自由な演奏が魅力です。東京のみなさんよかったら応援行ってあげて下さい。

End of summer

写真がうまくアップできなかったので更新していませんでした。

早いもので8月が終わりました。後半は西海岸へ。ニューヨークへ帰ってくるとやはりじめじめとしていて、西のすかっとした汗をかかない空気を思い返しています。それぞれの場所でいろんな出会いがありました。一人一人との関わりは短いですがどれも残っています。

皆さんはどんな夏でしたか。また写真もアップします。

夏のノート

日本はお盆ですね。ニューヨークはここ数日暑さがすごいです。部屋でギターを弾いても手に汗をかきます。ちょっとバテています。


こちらにいても不思議とこの季節になるとお盆や終戦記念日のことを思い出すものです。そして個人的には、初めてギターを手にしたのもこの季節でした。


そして16年前初めてボストンに降り立ったのもこの時期です。最初は音大の寮での一ヶ月間で英語の勉強をやりつつギターを練習していたのを思い出します。いろんなことが初めてのことばかりで戸惑いながらも9月から始まる音楽漬けの生活を楽しみにしていました。今から考えると、もっといろんなことをやったり考えたりしたらよかったと思うことがたくさんあります。


バンドで最初のアルバムをレコーディングしたのも夏でした。ボストン郊外の暑いスタジオで8人のメンバーで挑んだ録音でした。エンジニアもこの季節に見たくないうような暑くるしい見た目のおじさんでした。でも彼もメンバーも頑張ってくれました。


おそらく夏になるとみなさんそれぞれのいろんな夏を考えるのでしょう。そしていつも過ぎて行くのが速いのも夏。残りの8月はツアーに出ますがその準備をしつつそんなことを考えていました。

メインへ

7月最後の週末はメイン州で行われたOssipee Valley Music Festivalで演奏してきました。ニューヨークからだと7時間ほどかかるので前日途中にあるボストンの知り合いを尋ねてから行きました。

北へ進むにつれ針葉樹が多くなっていきます。フェスティバルは山の中で行われ大体の人がキャンプをします。自分も今回はテント持参でキャンプをしました。



元々ブルーグラスのフェスだったこともあり、今は自分のようなミュージシャンもいますがそれでもやはりブルーグラス色の強いイベントで、夜中はそこらじゅうでセッションをやっていて歩いているといろんな所からブルーグラスのスタンダード曲が聴こえてきました。



今回の自分の出演時間は夜中。日中に比べて静かになったとは言えそれでもまだセッションやダンスをしている音が聞こえながらでなかなか集中するのは簡単ではなかったですが、真夜中の山の空気を吸いながら普段味わえない環境で弾きました。

終わってからはジャムセッションに参加。テントに戻ったのは午前3時、戻って来てからも楽器の音が違う場所から聞こえていて不思議な気持ちで眠りにつきました。

ミシガン、インディアナの夏

ミシガン、インディアナ州で演奏してきました。

一日目はミシガン州に着き、ミシガン湖沿いのサウスへーブンというま所でのコンサートでした。この町は3度目ですが、毎回演奏するスペースが異なり今回はミュージアムのギャラリーでした。

演奏したベイリーミュージアム

コンサートの直後、お客さん達がミシガン湖の夕暮れを見たことがあるかと聞いてきて、「ないです」と答えると「一度はみておかないと」ということで慌てて連れて行ってくれまして日が沈む前に何とか間に合いました。


翌日は内陸のイーストランジングのプラネタリウムでの演奏でした。生演奏と一緒に星空を眺めるというコンセプトで、こちら側も星空が動き、空の色が移り変わっていくのを見ながらそれに合わせて即興的にアプローチしました。星空を見ながら最近は星空も長いこと見ていなかったなと思い返させてくれたプラネタリウムでの演奏でした。

プラネタリウム開演前



その後インディア州へ移動してサウスベンドでコンサートでした。途中ですごい雷雨にあいましたが辿り着き時計を見ると思っていた時間よりも1時間過ぎていました。ミシガンの人達からインディアは1時間時差が早いので時計を1時間前に戻したらいいよと言われたのでそうしていたのですが、実はインディア州の中でもエリアによって時差があるようでこのサウスベンドはミシガンと同じ時間。ということで到着してすぐ慌ててセットアップして弾きました。

インディアナ州サウスベンドの会場
サウスベンドのダウンタウン

ホテルに戻ってテレビを付けると大統領選挙のことばかり。

インディアナ州サウスベンドの後は再びミシガンへ戻りトリニティーハウスシアターというライブ会場でした。ここは3度目。今回はもう一つのアクト、Neptune’s Car(フォークのデュオ)とのジョイントで、せっかくの機会なので自分のストーリーを語る曲も英語でやり、メンバーの二人(ホーリーとスティーブ)にはギターとコーラスで参加してもらいました。二人の参加で急に曲調がアメリカーナに。(アメリカーナはジャンルの呼び方でルーツの匂いのするオリジナルと音楽という感じでしょうか)

    

 Neptune’s Carのホーリー(左)とスティーブ(右)

そして最終日は、インディアナポリスの近くのノーブルズビルという町でのコンサート。ここへ行く途中はコーン畑の広がりいかにも中西部らしい景色が続きました。ツアーの時は道中大体地元のラジオを聴きながら行くことが多いのですが、この辺りはキリスト教の番組も多く、アメリカでも色々あると思わせてくれた今回のツアーでした。