あけましておめでとうございます。
今年の年越しは今までにない、レコーディングスタジオで新しい年を迎えるという初めての経験でした。
大晦日の日にニューヨーク州北部の広大なアディロンダック山脈の真ん中にある小さな町キーンへ北上しました。NYCから北に進むにつれて少しずつ雪が増えてきます。そしてアディロンダックの入り口くらいから急に気温も下がり、大きな氷柱が目に入ってきました。
この地方には先月ライブで行き、その時のサウンド、PAを担当してくれたエリックが今回レコーディングしてくれました。ライブのサウンドチェックの際に機材のトラブルで音が出なかったのですが、彼が本当に冷静にオプションを事前に説明しながら対処してくれ、そのときその彼のスタンスは本当にエンジニアとして素晴らしいとすぐ思いました。
スタジオの近くには、雪、氷の山がそびえていました。そしてたくさん車が駐車してあるなと思ってみているとアイスクライマーたちが氷の崖を登っていました。地元の人の話ではここはアイスクライマーにとっての絶好の場所で、いろんなところから来るということでした。着いて車を降りると別世界に来た感じでした。
雪が凍ってつるつるでした。
こんな電話も通じない人里離れた場所で、寒い冬にレコーディングできて、ある意味隔離され集中できた2日間でした。前のアルバムをリリースしてからかなり時間が経ち、その間いろんな場所で書き溜めてきた12曲を今回やりました。
今回はこの3本のマイクでギターを録音。
アコースティックギターをレコーディングするには、いろんなマイクの可能性、セッティングがありますが、出来るだけ録音後にも、EQなどでそこまで音をいじらなくていいようにこの場でのギターの音を可能な限りバランス良くとることを試みました。先月のライブの際にエリックが、君のギターの繊細なところとダイナミクスをどれだけパッケージとしてキャプチャーできるか自分も試してみたいと言ってくれたことがこのプロジェクトの始まりでした。
自分にとって非常に思い入れのあるギターを弾きました。
大晦日の夜に10曲録り、エリックとHappy New Yearと言って別れ、自分はスタジオでその後録音したものを聞きなおしながら年が明けました。元旦は、残りの2曲とボーカルを中心にレコーディングしました。ここ数年間、とにかく様々な場所でひたすらライブをやってきました。その中で曲を作り自分の音楽に対する向き合い方も、出来るだけ正直なものを、飾らないものを音にしたいと少し変わってきた気もします。本当の目標は、そんなことすら、考えることすらしないくらいとにかくただ単純自分の音を自然に出すということですが。
とにかく今回無事録音も終わり、仕上がりがとても楽しみです。皆さんも楽しみに完成を待っていてください!
レコーディング終了してエンジニアのエリックと。