中西部〜西海岸

 今月はMid Westと呼ばれるアメリカは中西部、そして西海岸を回っていました。

中西部は州でいうとカンザス、ネブラスカ、ミネソタの3州で演奏してきました。この地域はHeartlandとも呼ばれます。初日カンザスに着くと雪と厳寒でまずびっくり。こちら方面には数ヶ月前に来て、真夏のようだったので甘くみていました。

雪から始まった中西部ツアーでしたが、翌日は晴れて気持ちのいい青空が広がりました。
山が全くないと言ってよく、ひたすら平らか、なだらかな丘が続きます。Prairie(プレーリー)という地形です。昔よく開拓者達は馬に乗りこんなだだっ広いどこまでも同じような景色を越えて住み込んだもんだと思います。
アメリカは面積が広く、州によって特徴、人柄も違うとよく言われますし、確かにそれはあると思います。ただ同じ州の中にもいろんな町があり、町によってその雰囲気、人々は様々です。例えばそこに大学があると、学生達の活気が加わります。またいろんな分野の大学の教授らもいるので多様性、文化が生まれます。そして他の国からの移民、難民のグループを受け入れるシステムが町によってあり、例えば南アジアから、アフリカからの人たちが移住して来ると自ずとそこにコミュニティーが出来、アジアンレストランやアフリカの店も出現します。
中西部のイメージは、素朴、保守的と一般には捉えられますが、それでも町によっていろいろだなと今回も思いました。
そして、今週は久しぶりの北カリフォルニアへ。先週からの同州各地の山火事でサンフランシスコに着いた途端空気が白く濁っていました。一つ目のライブは、1時間半ほど北に行った州都のサクラメントでしたが、山火事の煙が日が暮れるに従い濃くなってきてキャンセルになってしまいました。
翌日は早朝出発し煙を抜け出しさらに北へ。昼間はラジオ局の収録へ。演奏とインタビューを収録してきました。
Jefferson Public Radioの現場。
カリフォルニアも北に来ると山が高くなり木の種類が豊かで自分好みです。気候もからっと穏やかで心地のよい秋という感じでした。時折見える川ではフライフィッシングをしている人たちの姿が。
Mt. Shasta。遥か昔からネイティブアメリカンの聖なる山として崇められていた山。
標高は4000mちょっと。
カリフォルニアでも、日本人の人がライブに来てくれました。2世、3世の人たち、そして日本に生まれ渡米して来た人。いろんな人、いろんなことをして暮らしている日本人、日系人が各地にいます。こんなところに日本人がいるんだなあといつも感心します。向こう側からすると、こんなところに日本人のミュージシャンが演奏しに来るとは、とよく言われます。
同州北部から移動し、太平洋側のアルケータという町でライブをやり、最後は南下してサンフランシスコの近くへ。南へ下っていくに従って山火事の煙で空気が白くなってきます。マスクをして歩いている人もいました。
途中で通った大きなレッドウッドの茂る森。
最後のコンサートはサンフランシスコの対岸の丘の上の教会でした。ここは3回目でロケーションがまず非常に気持ち良く教会の表の扉を開けると海が見えます。この日はサウンドシステムを用意してくれていてセットアップして試してみたものの、この古い教会で自然の素晴らしい音響を使わないのはもったいない気がしてきて、お客さんが来る前に機材を切って、しばらく生音で弾いていました。音量的には小さいですが、ずっと弾いていたくなるような気持ち良さでした。これをみんなにも感じてほしいと思い、結局機材を片付けて生音で本番に挑みました。
1888年に建てられた教会、Old Hirary。
自分のように1日ごとに移動している分でも煙が気になりましたが、そこに住んでいる人たちにとってはとても辛いと思います。今週は本当に久しぶりにカリフォルニアに少し雨が降る予報のようです。雨が煙を少しでも沈めてくれることを願います。