人は良くも悪くも暮らす中で自分の心地良い場所、自分にあったスタイル、好みの枠の中で生きている。自分自身も含め、子供の頃の環境、節目節目で選択してきた結果の積み重ねが今の居場所を形成していることがわかる。だがそのために他のこと、他のスタイルで暮らす人との距離が出来たり、自分には疎遠だ、また自分はそういうタイプではないと決めつけていることも多々あるだろう、また今更変えるつもりもなく変えるのは面倒だということもある。例えば、自分は理系だ、文系だとか、インドア派、アウトドア派だなど。
それ自体は自然なことかもしれないが、そのせいで自分と違ったものに、自分が選んでこなかった、やってこなかったことにコンプレックスを抱くことに繋がる反面 がある。
自分にも思い当たるところはあるが、音楽に置き換えてみても、本来出来るだけそういう枠組にとらわれないようにしたいと思いつつも、ある範疇の中で演奏したり活動してしまっている。何度かその苦手なもの、手をつけてこなかったものに挑戦したい、克服したいと思ったことがある。まず、編成人数の差はあれこれまでずっとグループ、バンドの中で一人のギタリストとしてやってきた中で、いつか1人でフルのライブを出来るようにならないといけないと思ったのが5年ほど前。まだまだではあるが、これは試行錯誤しながら数年やってきてようやく慣れた。
またストラトを弾けるようになりたいということ。ストラト独特の音に憧れがあり、好きな音にも関わらず弾こうとしなかったギター。これは一度慣れたが最近また疎遠になっている。
そしてピアノ。長年ギター的な考え、頭で弾き、曲を作ってきた中で、いつかはピアノを少し弾けるようになりたいと思っていた。この歳になりやっと2週間前からピアノのクラスを受講し始めた。頭も指も思うようについてこないが、一つ一つがとても新らしい。ピアノが一番音楽が合理的に見える楽器と言われるが、それが触れてみてよく分かる。こういう素な気持ちで何かを習ったり楽器を弾いたのはいつぶりだろうかと考える。ギターを弾くのもどうしてもコンサートのために、仕事としてやってきた。ここは1人の生徒としてシンプルな曲も丁寧に少しずつ取り組んでいきたい。