ジョージア州オーガスタを流れるサヴァンナ川
また南部へ。「アメリカ南部」という響き自体日本にいる高校生くらいの頃から、魅力的でいろんな想像をかき立てる言葉だった。と同時になんとなく暗いイメージも伴っていた。それは好きでよく聴いていたデルタブルース、ソウル、Allman Brothers Bandのようなサザンロックが醸し出す、湿ったダークな雰囲気もあってだろう。
サウスキャロライナ、ジョージア州あたりを走ると、車窓から入ってくる湿気、暑さ、時折見える濁った川からいろんな音楽が聞こえるようだ。
オーガスタでの演奏の翌朝町を流れるサヴァンナ川へ。止まったように見えるがゆっくりと大西洋へ流れている。近くにはジェームスブラウンの銅像が。町で会った人は誇らしく彼のことを話してくれた。一方で中には彼の躍進を良く思っていなかった人もいたようだが。当時の人種の問題を考えると彼がこの南部の町からスターになった過程で様々な複雑なものを通りながら進んできたのだろうと思う。人気のない日曜の朝の目抜通りを歩きながら彼のタイトばグルーヴとハスキーな歌声が聴こえてくる。少し遠くに目をやると、昔奴隷時代から使っていたCotton Mill(綿工場)の建物がいくつも静かに佇んでいた。