ウッドストックギターショー

ニューヨーク市内から2時間程、ギターのショーがウッドストックであるので行ってきました。このイベントの名前はWoodstock Luthiers Showcase、つまりギター製作家が集まり各々の作ったギターを持ち寄るというもの。それに加えてアメリカ各地からアコースティックギターの様々なギタリストがあつまり、ワークショップをやったりミニコンサートをやったりということでとても面白かったです。

ギターの雑誌や話でしか聞いたことの無かったブランドのもの、そしてそれを作った職人と身近に接することのできる機会でした。アメリカは広いですが、こういう世界はコミュニティーになっているので逆に狭いとも言えるかと思いました。

今回は日本人の方も何人か出会い、話をさせてもらい楽しい時間が過ごせました。皆さん相当詳しくてびっくりでした。カリフォルニアからも日本人ビルダーのMichihiro Matsudaさんが来られて展示されていました。

最近時々見かけるハープギターというもの。
上の写真のスコットランドのギタリストTony Mcmnusがワークショップをやるというのでギター持参で参加してきました。受ける立場というのは久しぶりだったのでとても新鮮でした。ケルト音楽を一本のギターで表現するというスタイルで不動の地位を築いている彼だけあって、迫力のある演奏とテクニックでした。それにやはり手が分厚く大きいので、一つ一つの音がこちらにもがーんと響いてきます。
アコースティックギターに囲まれた一日でした。

大西洋

今週末は、ニューヨークから大西洋沿いを北へ向かいました。

最初のコンサートはロードアイランド州。

演奏したSandywoods Center for the Arts。高い天井でゆったりとした空間でした。この日は去年演奏したここの隣町のニューベッドフォードのフォークフェスティバルのディレクターが家に招いてくれて、演奏場所への送り向かいもやってくれました。演奏の後彼ら達からアメリカのフォークの裏話もたくさん聞いて楽しい夜でした。

翌日は更に海沿いを進みケープコッド半島まで。今回は半島のほぼ半ばにあるオーリンズという町でのコンサート。時間もたっぷりあったので高速を使わずにほぼローカルで小さな港町をたくさん経由しながら走りました。

途中の腹ごしらえはたまたま見つけた地元のシーフードの店。シーフードレストランと言ってもメニューはいたってシンプルで基本はフライの魚介類。1953年からやってるということでいい感じでした。

またこの付近はかつてポルトガルの漁師たちが魚をとりに来ていてそのまま住み着いた人も多く、ポルトガル系の移民が多いです。

   途中、浜辺では結婚式をやっていました。
二日目の演奏場所は、この森の中の家。この家のリビングルームがコンサート会場。アメリカのフォークの世界ではリビングルームを会場にしてコンサートをするHouse Concertというのが多く、ミュージシャンと見に来た人達が近くなれる面白い機会です。アメリカのリビングルームは非常に広々としていて屋内のインテリアのセンスも良くそれ自体暖かい雰囲気を醸し出しているのでコンサートには持ってこいです。
ここのリビングルームは吹抜けになっていて、2階の席からはこんな感じでライブが楽しめたようです。演奏の休憩と演奏後は地元で取れた牡蠣が振る舞われてみんな牡蠣とお酒で盛り上がりました。
武満徹の曲で”Cape Cod”という作品がありますが、こうして行ってみるとこの半島の辺りはアメリカでも特別な雰囲気を持っている場所だと感じました。

一年

今のメインのギターを手にして一年になりました。このギターが出来上がったのが2012年9月です。

浜松在住のギター製作家の本郷道太氏のギターで、非常に良い仕上がりです。
この一年本当にいろんな所にこのギターと共に回って音も丸くなってきました。最初の新しい感じのキラキラした音が抑えられてきました。これからもまたいろんな場所へ連れていくことになると思います。
明日は、ニュージャージーでテレビの収録があるのですが、今回はアメリカで人気のフォークロックデュオThe Kennedys(ケネディーズ)のギタリストのピートと二人で出演です。ピートとは同じニューヨークに住んでいることもあり最近は時々彼のスタジオに行ってはセッションしたり録音したりしているのですが、自分にとってはちょっと兄貴的な存在です。
明日は自分の曲と彼の曲を演奏予定で楽しみです。ちなみにこのケネディーズは「赤」がメインカラーで、ギターも全て赤で統一されています。
こちらはマンハッタンのピートのスタジオ。やはり「赤」です。

タブラとのデュオ

今日はマンハッタンのルービンミュージアムでの演奏で、人生初のタブラとの共演でした。演奏したのは女性タブラ奏者Roshni(ロシニ)。普段はインドの古典音楽を中心にやっている人で、楽しかったものの、そして音楽は言葉を凌駕するとよく言われるものの、正直違う言語を話しているという部分も大きかったです。それは自分のインド音楽の理解不足というのが大きいですが。

インドの古典音楽の奥行きの深さを思い知りました。リズムというものが西洋音楽と異なったコンセプトで進んでいくのが不思議です。少しずつこういうインドの音楽も勉強できたらと思った一日でした。


  
タブラをチューニングするロシニ。金属のハンマーのようなもので叩きながら調節します。

New England

今週末はアメリカ北東部ニューイングランド地方へ。

一日目はニューハンプシャー州。北へ進むにつれてどんどんと山の色は鮮やかに。この季節はかなりいいと話は聞いていましたがその通りでした。

演奏したのはサンエーピーという町の教会。フォークを中心にコミュニティーがやっているコンサートシリーズ。こういった場所で演奏することも多いですが、今回はお客さんのリアクションがよかったです。同じ曲をやっても地域によって反応が異なるのが不思議です。

コンサート後、泊めてもらうことになっていたニューハンプシャー在住のギター製作家のAlan Carruthの宅へ。かなりの山間に住んでいて隣が工房になっていました。夜も遅かったですがせっかくなので工房を見せてくれました。
アランと彼のギター
最近の2本。とてもいい音、そして触り心地。40年以上作り続けているだけあって説得力がありました。最近は木の輸入などが結構やっかいなようですが、この地方はギターに使える木も多くそういう材も取り入れているとうことでした。
二日目はさらにニューハンプシャーから北上しバーモント州へ。山が深く、牛、馬そして古い村という風景が続きます。途中美しい谷があったので車をしばし止めました。
その後目的の町ブランドンへ。演奏したのはこのBrandon Music。イギリス人夫婦がやっている場所でこだわりの感じられました。
そしてこのバーモントで日本人のお二人が見に来て下さってこんなところで会うなんてと驚いたと同時にとても嬉しかったです。
今回初めての2州でしたが、一足先に秋の深みの中に浸った数日間でした。美しさの中にきびしい冬の到来を垣間みました。

Heartland

アルバム「Heartland」をリリースしてちょうど一年が経ちました。初めてヴォーカル曲も収録したアルバムです。

一年が経ちこの前の「海のカフェフェス」でもお世話になった手紙舎さんがアルバムについて「音楽の感想文」というのを書いて下さいました。

暖かい文章で嬉しいです。今客観的に聴いてみると、派手さはないですが、自分自身の中に静かにためてきたものをやっと手放せた感じの曲が詰まっているかなと思っています。

元の手紙舎のページはこちらです。
http://tegamisha.shop29.makeshop.jp/shopdetail/005004000025/

スプリングビル

数日間の北への遠征を終えて帰ってきました。

ローチェスターの次はそこからさらに西へバッファローへ。バッファローは五大湖のオンタリオ湖とエリー湖が繋がるところ、そしてそこにあるナイアガラの滝で有名です。今回は着いてすぐお迎えに来てもらっていたので滝へは向かわずそこから南下すること40分ほどで目的のスプリングビルという町へ向かいました。

バッファローはかつては鉄鋼などで栄えた町だったのがそれが徐々に衰えて、かなり荒廃した町になって人口もぐっと減ったということです。今は少しずつ町を再構築しようといろんなところで工事が行われたりしていましたが、それでもダウンタウンはこういう古い大きな威厳ある建物が残るものの、人が少なくがらっとして寂しく、危ないような気配も少し感じました。

目的の町スプリングビルは山間の町で美しい緑が広がる所でした。

着いた日はHomecomingという一年に一度のイベントの日でパレードと地元の高校でアメフトの試合があるというので見に行きました。小さな町をあげてのイベントということでいい感じでとても懐かしい気持ちにもなりました。何かアメリカの古い映画の中で見る世界のようでした。

翌日昼間ギターのワークショップをして、夜はコンサート。古い教会を改装してコンサート会場にしてあり、とても天井の高い部屋でした。

地元の人達との交流で今回も知らなかったアメリカの姿をいろいろと学んだ気がします。同じニューヨーク州といってもこうまで違うのかと驚きました。こっちの人達はニューヨークシティーに行ったことのある人も多くなく、学校の旅行で小さい頃に行ったのが最初で最後という人もいました。でも自分たちはここで充分だと。確かにこの豊かな山での暮らしを見ているとそういう気にもなります。

ロチェスター

日本から戻ってきました。楽しかった日本を回想する間もなく翌日のバスでニューヨーク北部のロチェスターへ。バスで走ること7時間、バスを降りるともうかなり寒くてびっくりしました。

まずはラジオ局WXXIの番組へ。ニューヨーク北部のピーターバラカンさんのような音楽マニアのScott Reganの番組でインタビューと生演奏を3曲。

ラジオを終えて次は地元のテレビの収録へ。ここでもインタビューと演奏を2曲。新曲をやろうと一瞬思ったのですがどうも踏みとどまっていつもの慣れた曲を。こういうところで頑張って新しいものをやっていかないと、とは思うのですが。

プロデューサーのRobertと。いい感じの人でした。

そして夜はライブ。6月にここロチェスタージャズフェスティバルで演奏して気に入ってくれた人達が戻ってきてくれたりして嬉しかったです。演奏したのはアメリカ屈指のビンテージギターショップBerununzio Music。日本からも買いにくる程の品揃えで、そんなギターに囲まれながらの演奏でした。店のギターやバンジョーを見ていると目がくらくらしてきます。

今日は更に西へ、バッファローという町を目指します。カナダとの国境の町でナイアガラの滝のところです。滝を見る時間があるかは分かりませんが。。。

ツアー終了

昨日の神戸でのライブで今回の日本のライブが終わりました。

神戸は約5年ぶり、演奏したクレオールでやったのはもう7年も前です。懐かしかったです。

天井が高く良い響きでやっていてとても気持ちのいい空間でした。ソロ編成のライブにはちょうど良かったかなと客観的に思っています。

今回ライブに来て頂いたみなさん本当にありがとうございました。韓国、日本と回ってアメリカを発ったのがだいぶ前にも感じます。今回いろんな場所で得たものを元にまた新しい曲も書いていこうと思っています。

4日間一緒した武石聡さんにも感謝です。抜群のセンスとリズムで支えてもらいました。次の共演を楽しみにしています。

デュオライブ終了

今日の横浜で4日間一緒だった武石聡さんとのデュオのライブが終わりました。

水曜の東京の後、横浜KAMOMEでのライブも楽しかったです。演奏していて毎回違ったアプローチで演奏される武石さんのプレイにさすがという感じでした。暖かいサポートの人達の助けもあり、横浜は特にこの何年かで自分にとって近い場所になってきました。

地元京都RAGでの一枚。懐かしい同級生との再会もこういう地元ライブならではの貴重な時間でした。

そして再び横浜で「海のカフェフェス」へ。ライブハウスとは違う空間と雰囲気での演奏でした。最後までいろんなミュージシャンを見させてもらって楽しい時間が過ごせました。

明日は今回の日本での最後のライブ。神戸でのソロライブです。

9月22日(日) 神戸 acoustic live Creole  (神戸市中央区山本通2-3-12  /  TEL078-251-4332)
●開場:19:00 / 開演 19:30
●料金:前売 2,500円 / 当日 3,000円
●予約:メール(creole@basil.ocn.ne.jp)で受け付けています。