The Groove Vol.6 2003年12月号 (アメリカ合衆国ボストン)

    Hiroya Tsukamoto "Defining His Own Direction"  (文、インタビュー: Scott Abramson)


            
 トレードマークとなる音をクリエイトすることは、ミュージシャンなら誰もが望むところだが、それはそう容易なことではない。平凡
さから離れ、自分の音を作るために、長い探求の日々が続く。塚本浩哉はこの成果を、8人のミュージシャンからなる革新的な自己のグ
ループinteroceanicoと共に開花させた。塚本浩哉は日本の京都出身で、2000年にバークリ−音楽大学より奨学金を得て渡米。プロフェ
ッショナルミュージックアワードを受賞する他、自己のバンドでバークリ−パフォーマンスセンターに数回出演している。interoceanicoは
アルゼンチン、コロンビア、アメリカ合衆国、韓国、日本の3大陸、5カ国の音楽家で編成されている。

The Groove(以下TG):バンドを結成したきっかけは?

Hiroya Tsukamoto(以下HT):ボストンに来てからずっとLos Changos(ロスチャンゴス)というグループ(アルゼンチンの音楽をベ
ースとしたバンド)の大ファンで、彼らのライブにはよく足を運んでいました。それでそのバンドの中にMarta Gomez(ヴォーカル)と
Franco Pinna(ドラムス)も入っていて、僕の曲を一緒に演奏してくれないかと頼んだのが最初です。その他のミュージシャンはいろんな
経緯で知り合ったけど、みんなそれぞれが個性的なサウンドを持っていたのでバンドに入ってもらいました。自分の音楽が、素晴らしい
メンバーと演奏できて本当に幸せです。

TG: いろんな国のミュージシャンを集めてグループを結成するというのは意図されてましたか?

HT:いえ、意図はしていなかったです。自然とこうなりました。でも今考えると様々な国から来たミュージシャンが集まって一緒に演奏
するというのはやっぱりいいものだなあと思います。アメリカに来て以来、いろんな人達との出会いは自分にすごく影響を与えたと思いま
す。ここには本当にたくさんの人達がいて、学ぶことも多々あります。

TG:アメリカに住み始めてから、ミュージシャンとしてどのようなことに感動したり、刺激を受けましたか?

HT:Los Changosを見てから、自分の音楽を作りたいという気持ちが以前にも増して大きくなりました。南米音楽は大好きですが、僕自身
南米出身ではないので、ただの真似にならないようにしようと思いました。いろんな影響を混ぜて何か新しいものが作れたらなと考えてま
した。現在日本にいたころはあまり馴染みのなかった音楽にすごく刺激を受けます。これはちょっと不思議な感じがします。というのは、
日本に住んでいた頃は北米の音楽をかなり聴いていたけど、いざアメリカに来てみて、今アメリカの外の音楽を聴き、それに影響されてい
るからです。

TG:バンドのメンバーについて簡単に説明してもらえますか?

HT:ヴォ−カルのMarta Gopmezは現在ニューヨークに住んでいて自分のグループで活動しています。本当に素晴らしい歌手な上に、彼女
のバンドも最高です。もう一人のヴォーカルのAlejandra OrtizもMartaのグループの一員で、二人とも全然違った声を持っているのに、一
緒に歌うとすごくしっくりきます。トランペットのDan Brantiganは美しい音色を持ったプレーヤーです。最近自分のアルバムをリリース
しました。ピアノのAndrew Kimは、いろんな音楽の影響を受けていて、それが彼の演奏に現れています。作曲家としても才能を発揮してい
て近いうちに自分のCDをレコーディングする予定です。ベースのMoto Fukushimaは、周りのエレクトリックベ−シストとは全く異なったサ
ウンドを持ったとてもユニークなミュージシャンです。彼は僕達のCD, "The Other Side of the World"のコープロデューサーでもありま
す。ドラム、パーカッションのFranco Pinnaは、僕が作曲するときにいろんなインスピレーションを与えてくれるし、新しいいろんなリズ
ムのアイデアを持っています。もう一人のドラマー、パーカッショニストBrian McLaughlinはFrancoとは違うタイプのドラマーで、一緒に
演奏していると次に何をしでかすか分からない本当にエキサイティングなドラマーです。

TG:影響を受けたミュージシャンを何人か挙げてもらえますか?

HT:最初の頃すごく影響を受けたのはPaul Simonです。その後、Nueva Cancion(ヌエバカンシオン)と呼ばれる南米の音楽運動の担い手
であったチリのシンガーソングライターVictorJaraに傾倒しました。それとブラジルの歌手、作曲家のMilton Nascimento。ここ最近は、
いろんな国の、特にアジアや西アフリカの土着的な音楽をよく聴いています。

オリジナル版(英語版)はこちらです。